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さまざまな水産資源に関する問題と解決するための取り組みとは?

日本・海外の乱獲による漁獲量の減少

よくニュースで「今年は○○が不漁で……」と言われていますが、その年だけたまたま獲れなかったというわけではないのは知っているでしょうか。消費者としては天候やその年の特徴からそんなに魚が獲れなかったイメージを持ってしまいますが、実際には日本で年々漁獲量が落ち込んでいます。怖いのはその漁獲量を見ていくと、近い将来0になるときがくる勢いです。これまで乱獲が多く行われていたため、さまざまな魚が減少しています。日本では今まで未来のことまで考えずに、食糧難を解消するためにも好きなだけ魚を獲っていました。手あたり次第獲っていたツケが今になって回り、年々減少しているのです。昔はここからはほかの国が漁業をしてはいけないという決まりもなかったため、日本人はさまざまな国の海洋へ行きさまざまな魚を獲っていた過去もありました。これを解決するためには、個別配分を行うという作戦があります。実際ニュージーランドなど他国では個別配分を行い、漁獲枠を個別の漁業者へ配分して成功しています。日本では解決のための法整備も遅く、やっと国家による漁獲規制ができたのですが、改正した法律を守らなかった漁業者もいて大きなトラブルになっている現状もあるのです。改善していなかなければ漁獲量が0の時代も来てしまうため、仕組みづくりが急務にもなっています。

各国の禁漁措置

戦後間もない頃は、禁漁措置自体が存在しなかったため、どこへ行っても獲り放題な時代もありました。このとき、日本ではどこまでも遠洋漁業に行けば魚が獲れるため、水産資源に困ったこともありませんでした。しかし、1970年代後半から、沿岸諸国が200海里のEEZを作ったことで、これまでどこへでも自由に行き魚を獲るという方法を行えなくなったのです。獲り過ぎてしまったらいなくなるという考えが薄く、200海里の中には入れなくても日本の近郊などではこれまで通り場当たり的に魚を獲っていたため魚が減少しています。

海水温度上昇

乱獲のほかにも、地球温暖化による海水温度の上昇もあります。ただ、気温が少し上がるだけでなく、自然災害などさまざま影響を与えています。水産資源も例外ではなく、海水温が上がってしまうと大きく影響を受けてしまうのです。全体的ではなく局所的に漁業がこれまでのようにはいかなくなっている変化もあり、このまま見過ごす訳にはいかない問題となっています。日本の近郊で獲れていた魚なども変わってきていて、これまで当たり前に獲れていたものが海水の温度上昇に伴い減少しているのです。たとえば、北海道ではブリやサワラが北上してしまい、今まで通りに漁獲ができません。これを防止するために、温室効果ガスの排出抑制や温度が上がっても育つ魚の開発などをして対策しています。

養殖などとの関連

魚を殖やすためにも養殖を行っていますが、水質などをきれいに保ちながら育てられるように持続的養殖生産確保法を制定しています。実際戦後さまざまなものが作られ工業廃水によって、赤潮が頻繁に発生するトラブルがありました。今ではだいぶ減ってきていますが、それでも数件確認されています。良いものを作ろうと養殖をしても、環境が悪化してしまうと生産が減少してしまいます。たとえば、有明階や八代海では赤潮が増加してしまい環境が悪化することや瀬戸内海でも以前は水質が汚く赤潮が発生藻場などは減少というトラブルがありました。これら改善するように施策を作り、再生に向けて対策を行っているところです。高度成長期の頃に比べたらさまざまな取り組みを行い、日本でも改善へとは向かっています。しかし、すべての課題が解決することはなく、さまざまな研究が重ねられて施行されている段階です。

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